シェンゲン協定国での入国方法(システム)はどう違う?加盟国やシェンゲンビザとは?
2018/09/25
プライベートでの旅行や仕事などで、頻繁にヨーロッパを訪れる時、気になるのは「あと何日滞在できるのか」「出国後、何日経てば再入国できるのか」ということではないでしょうか。
それを知るためには、シェンゲン協定およびシェンゲンビザ、そしてその加盟国について知る必要があります。
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シェンゲン協定ってなに?
シェンゲン協定とは、協定に加盟した国の領域内における国境の通行自由化(ビザ廃止)を目的とし、域内共通の滞在規定を定めた協定のことです。
つまり、シェンゲン協定の加盟国の領域内では、ビザなしで自由に他の国へ移動することができます。
シェンゲン加盟国以外の国の人も、シェンゲンビザを取得することでシェンゲン域内に入国することができます。
シェンゲンビザってなに?
海外への渡航には、パスポートとビザが必要です。
パスポートは国籍身分を示す証明書ですので、これだけで入国することはできません。
ビザ(査証とも言います)は入国許可証にあたります。
通常、ビザは出国3週間から1か月前に在日大使館・領事館へ申請し受給します。
しかしシェンゲン協定国への入国に際しては、シェンゲン協定国26か国に対して個別に申請する必要がなく、シェンゲンビザを取得するだけで加盟国間を自由に行き来することができます。
日本人の場合
日本国籍を持つ日本人であれば、ビザ免除協定が結ばれているため、短期の渡航に限りシェンゲンビザを取得する必要がありません。
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この場合の短期とは「あらゆる180日の期間内で最大90日間」と定められています。
過去180日以内の滞在日数はすべて短期滞在期間として計算されてしまいます。
有効期間の具体例
たとえば、2015年9月4日から2016年3月1日までの間に、複数回ヨーロッパ旅行をしたとします。
1回目は2015年9月4日から9月18日まで、14日間フランスに滞在しました。
2回目は2015年10月9日から10月27日までの19日間、ドイツへの滞在です。
3回目は、12月1日から1月14日までの45日間を北欧5か国に滞在したとします。
この時点で78日間滞在していることになりますから、シェンゲン域内の滞在日数は残り12日間しかないのだな、ということになります。
空港でのトランジットもこの90日間には含まれますので、日数の数え方には十分注意が必要です。
また、90日経過後は、180日以上経過しなければ再度入国することはできません。
上記の例でいうと、4回目に2016年2月19日から3月1日までイタリアを訪れていたとします。
この時点で「180日以内90日間」の滞在期間を使い切っていますので、次にシェンゲン協定国域内に再入域できるのは2016年8月28日以降ということになります。
さらに注意したいのは、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの北欧5か国についてです。
北欧5か国内に合計90日間滞在した場合、出国後6か月が経過しなければこれら5か国に再入国することができません。
北欧5か国でひとつの連邦国家というような扱いだと考えてよいと思います。
日数以外のシェンゲン協定加盟国入国条件
それから、パスポートに関して、下記の3点を満たしていなければシェンゲン協定加盟国へ入国することができませんのでご注意ください。
1.パスポートの有効残存期間がシェンゲン協定加盟国からの出国予定日から3か月以上あること
- パスポートの発行日より10年以内であること
- パスポートの未使用ページが2ページ以上あること
シェンゲン協定の加盟国は?
2016年現在、シェンゲン協定の加盟・実施国は下記26か国です。
アイスランド共和国 | イタリア共和国 | エストニア共和国 |
オーストリア共和国 | オランダ王国 | ギリシャ共和国 |
スイス連邦 | スウェーデン王国 | スペイン王国 |
スロバキア共和国 | スロベニア共和国 | チェコ共和国 |
デンマーク王国 | ドイツ連邦共和国 | ノルウェー王国 |
ハンガリー共和国 | フィンランド共和国 | フランス共和国 |
ベルギー王国 | ポーランド共和国 | ポルトガル共和国 |
マルタ共和国 | ラトビア共和国 | リトアニア共和国 |
リヒテンシュタイン公国 | ルクセンブルク大公国 |
シェンゲン協定を実施している国は22か国がEUに加盟していますが、EU加盟国でもイギリスとアイルランドはシェンゲン非加盟です。
(※イギリスとアイルランド間の行き来については、ビザ不要です)
キプロス共和国、ブルガリア共和国、ルーマニアについては、EUにもシェンゲン協定にも加盟していますが、未実施で国境管理があります。
シェンゲン協定域外からでも、シェンゲンビザひとつ取得することで、いくつもの国を訪れることができるなんて、旅行者にとってもメリットが大きいですよね。
最近は日本でも北欧ブームが静かに続いていますから、旅行でも、お仕事でもヨーロッパを訪れるチャンスが多くありそうです。
ただ、昨今の世界情勢の関係で、シェンゲン協定加盟国の間でも国境管理を期間限定で再開している国があります。
旅行・出張を計画する際には、訪れる予定の国の大使館ホームページ等を確認してみてくださいね。